音律

音律とは音階を構成する音の高さの相互関係を指します。
古代ギリシャ時代(紀元前6世紀)のピタゴラスによって考案されたピタゴラス音律(Pythagorean scale)がありましたが、その後に響きの美しい純正律(Just intonation)が考案され利用されていました。純正律の欠陥は鍵盤楽器のように固定ピッチの楽器の場合、ある調のピッチで調律された場合、他の調への転調が出来なくなる現象です。(例えばハ長調のE音とヘ長調のE音のピッチは音高が違うため)
純正律とは別にピタゴラス音律を改良した中全音律(Mean tone)が16世紀初期から18世紀にかけて用いられました。中全音律の長3度が純正律の長3度に近かったため響きが良く、当時は画期的なものでしたが、遠隔転調や半音階には都合が悪いものでした。
その後さまざまな音律が考案され、12平均律(Temperament)が考案されました。これは1オクターヴ内の12の音全てを均等割りにしたもので、異名同音への読み替えが出来るようになり、すべての調の使用や半音階が可能になり、現在広く使われています。この音律の欠陥は1度(8度)以外の音程が全て微妙にずれている点にあり、固定ピッチの楽器では純正な和音、又は純正な音階が不可能なことです。
平均律楽器の現代のピアノが1音に対し3本の複数の弦を使っているのもこの点にあり、3本の弦の調律をそれぞれ微妙にずらせることによって全ての音程をカバーしているそうです。

音律の対照表
音程 ピュタゴラス 平均律 純正律
1度(同度) 0 cent 0 cent 0 cent
増1度 114 cent 100 cent 69 cent
短2度 90 cent 100 cent 133 cent
長2度 204 cent 200 cent 182 cent(小全音)
204 cent(大全音)
増2度 318 cent 300 cent 275 cent
短3度 294 cent 300 cent 316 cent
長3度 408 cent 400 cent 386 cent
減4度 384 cent 400 cent 427 cent
増3度 522 cent 500 cent 461 cent
完全4度 498 cent 500 cent 498 cent
増4度 612 cent 600 cent 569 cent
減5度 588 cent 600 cent 631 cent
完全5度 702 cent 700 cent 702 cent
増5度 815 cent 800 cent 773 cent
短6度 792 cent 800 cent 814 cent
長6度 906 cent 900 cent 884 cent
増6度 1020 cent 1000 cent 955 cent
短7度 996 cent 1000 cent 969 cent
長7度 1110 cent 1100 cent 1088 cent
減8度 1086 cent 1100 cent 1129 cent
増7度 1223 cent 1200 cent 1159 cent
完全8度 1200 cent 1200 cent 1200 cent
注)赤字は狭すぎ、太字は純正

※ この対照表はクリスティーネ・ヘーマン「弦楽器のイントネーション」からの引用です。
もっと詳しい解説の置いてあるサイト
mvsica homepage さんの「音律入門
Gabacho-Net さんの「純正律音階と平均律音階

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