装飾について

バロック時代のトリルについて、バッハやテレマン、ラモなどが図説してるものを見ると2度上の音から開始するように書かれています。ということは多くの場合2度上から開始していたという事を示唆している、または推奨していると思われます。
日本ではトリルといったら2度上じゃなくてトリルを行う元の音から開始するのが一般的ですが、当時は2度上から開始するのが一般的ということでしょうか。
ただし、トリルに入る直前の音によっては2度上から開始するのは好ましくない場合があるので、そういう意味から2度上から必ず開始されるべきというわけでもないように思います。
このトリル開始音の音価については長めあるいは他の音と同じなのかとか色々疑問が沸いてくるのですが、これは曲想から最適なものを選ぶんじゃないかなと思います。
バッハやラモの時代には装飾についてかなり神経質だったみたいで細かくターンやモルダントなど多岐にわたって装飾のバリエーションをそれぞれ別の記号で表現してますが、バロック時代全般の楽譜を見てみると、それらの諸記号は作曲者または校正者による推奨される装飾だとわかります。
それほどまでに装飾は自由だったわけですね。
ロマン派以降の音楽しか知らない人にとっては装飾記号の無い場所は楽譜のまま演奏しないといけないという固定観念に縛られてしまってますが、バロック時代以前(ひょっとしたら古典派前期以前?)は装飾記号は書いてなくても必要な場所は装飾されるものと暗黙のルールがあったため、いちいち装飾記号を書かない場合が多くみられますので、演奏者はこの点も考慮すべき問題です。
バロック時代には装飾とは別にディヴィジョン(Division)という分割装飾も同じくらい重要な地位にありました。これもルネッサンス後期からバロック初期にかけて楽譜に分割装飾の一例を併記してるものがありますが、多くは分割装飾の例は楽譜に示されてません。なぜならば装飾音符と同じで演奏者のセンスで即興で演奏されるべきものなので、作曲者がいちいち分割奏法を音符で指示する必要が無かったわけです。
これらを理解できていたら・・・・CDとか聴いてると「あれ?楽譜と違う。なんで?」という疑問が沸いたりしないで、「ああ、こういう装飾の仕方もいいなぁ♪」とか思えるわけです(笑)
ピアノを専攻している人はピアノしか聴かない人が多く、こういう知識を持っていないのでバッハとか弾かせても楽譜どおりで、しかもリストやシューマンの時代のロマン派の香りがプンプンした演奏をしてしまいます。これはこれで素晴らしい演奏でして、バロックの精神から言うと間違いではありません。どう演奏しようが曲を破壊しなければ演奏の仕方は自由なので。ただ装飾音とか分割奏法を適時演奏に含めてもらったら嬉しいなと。。。。
なんか色々書きましたが、当サイトのMIDIはこれらの分割奏法はほとんど施していません
ヾ(ーー )ォィ

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